フルミスト、実際のところどうなの?|番町麹町こどもクリニック|四ツ谷・麹町の小児科・内科・アレルギー科

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フルミスト、実際のところどうなの?

フルミスト、実際のところどうなの?|番町麹町こどもクリニック|四ツ谷・麹町の小児科・内科・アレルギー科

こんにちは。番町麹町こどもクリニックです。

今年から各自治体で助成の対象となり、急速に認知度が広がったインフルエンザ経鼻弱毒生ワクチン「フルミスト」ですが、今年初めて接種を検討しているという方も多いかと思います。以前のブログでも書いたように、有効性に違いはありません。抗体の持続時間にも大きな違いはいまのところ証明されていません。では結局のところフルミストっていいの?悪いの?どっちなの?について、すでに接種された方の感想を踏まえて考察しました。

当院の所在する千代田区は、フルミストの全額助成を行なっています。そのため無料ならフルミストを選択するご家族が圧倒的に多い印象です(90%ほど)やはり注射はみな苦手なようです。実際にはおそるおそる診察室に入り、注射型のシリンジをみて「え?話がちがう」と言わんばかりに逃げ出そうとする子も多いですが、観念して接種が終わると「これだけ?」ときょとんとしている子がほとんどです。いつもは頑張っても2回目があるのに、フルミストならこれで終了だなんて、フルミスト神だななんて言いながら、ガチャポンをして帰って行きます。ご家族の方も大暴れする我が子を押さえつけることなく、おりこうさんに無事終了して一安心といった様子です。一方で低年齢(2歳~4歳程度)のお子様は1回目の噴霧でなにかいやな感じを覚え、2回目を嫌がること子もいます。結局押さえられて泣きながら接種することになるけれど1回で終了ならまだマシかといったところでしょうか。ガチャポンで機嫌を直す子もいれば、ガチャポンどころではない子もいてちょっと心が痛みます。でも総合的に考えると、フルミストの方が圧倒的に接種時の子どもとそのご家族の負担は軽減されています。

一方でフルミストは副反応が多くみられるのも事実です。たいていは「鼻水がでる~」とか「くしゃみが多い」などの症状が出て、数日でよくなりますが、稀に熱を出す子もいます。問題となるのはフルミスト接種後の発熱です。フルミストの副反応なのか、本当にインフルエンザに感染したのか、または他の感染症なのか、その判断が難しくなります。インフルエンザの抗原迅速検査をしても接種後およそ1ヶ月以内は陽性とでてしまう可能性があります。陽性ならとりあえず抗インフルエンザ薬を使用してみるにしても、せっかくのインフルエンザワクチンの効果がなくなってしまう可能性があります。診療していてこの問題が一番困りました。ただじっくり慎重に経過を見れば熱の原因がわかってきますので、それだけでフルミストを控える必要はないと考えます。

結論

どうしても副反応がでては困るというお子様(お受験や大会、合宿を控えた方など)は注射の方がいいかもしれません。

フルミストは早いうちに接種した方がよいと思います。感染が流行してきたから慌てて接種しても前述のように診断が難しくなり、抗インフルエンザ薬を使うべきか判断に苦しむことになります。

といいましてもそれぞれの家庭の事情、考え方によって結論は異なります。遠慮なくご相談ください。

 

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