小学6年生になったら、男子も女児もHPVワクチン~HPVワクチン=子宮頸がんワクチンではありません~|番町麹町こどもクリニック|四ツ谷・麹町の小児科・内科・アレルギー科

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小学6年生になったら、男子も女児もHPVワクチン~HPVワクチン=子宮頸がんワクチンではありません~

小学6年生になったら、男子も女児もHPVワクチン~HPVワクチン=子宮頸がんワクチンではありません~|番町麹町こどもクリニック|四ツ谷・麹町の小児科・内科・アレルギー科

こんにちは。番町麴町こどもクリニックです。

ヒトパピローマウイルス感染症と聞くとピント来ない方も多いかと思います。先日こどもに「HPVて子宮頸がんの原因ウイルスでいいんだよね?」と聞かれました。「そうだけどなんで?」と答えると「学校の保健体育のテストででた。みんながB型肝炎だっていうから不安になって」と心配そうにしているので「大丈夫、合ってるよ!すごいじゃない、さすが我が子」と親バカとばかりにほめたたえました。B型肝炎の原因はHBVです。確かに似ています笑。こどもらしいほほえましい間違いにほっこりしつつ、なるほど、最近ではそんなことも学校で教えてもらえるのかとびっくりしました。でも大切な教育ですのでありがたいです。性感染症のみならず、ワクチンでがんが予防できることなども教えてもらった?と聞きましたが答えは「わすれた」でした。(やっぱり肝心なところは聞いていない…とがっかりです)それはさておき、一つ気になるのが、HPVすなわちヒトパピローマウイルスは確かに子宮頸がんの原因ウイルスではありますが、ヒトパピローマウイルスがもたらすのはそれだけではありません。なのでHPVワクチンは子宮頸がんワクチンとイコールではないのです。(子宮頸がん予防ワクチン⇒HPVワクチンは成り立ちますが、HPVワクチン⇒子宮頸がん予防ワクチンは必ずしも成り立ちません)そちらも教えてもらえたかなあと気にかかります。男性にも影響するということがまだまだ周知されていないのが残念でなりません。そもそもHPVワクチンのことを『子宮頸がんワクチン』と呼んでしまったことも男子のHPVワクチンの接種率が日本は圧倒的に低い原因だと思っています。先日も患者さんのお母様に「男の子は子宮ないのになんで子宮頸がんワクチンが必要なんですか?」と聞かれました。その質問に対する答えをこちらで説明したいと思います。

HPVワクチンは子宮頸がんを予防するワクチンでもありますが、HPV(ヒトパピローマウイルス)は男女ともに感染し、男女ともに肛門がんや中咽頭がん、尖圭コンジローマ(性感染症:性器周辺部にできるカリフラワー上のいぼができる)などのHPV関連がんや疾患に関係します。HPV自体に感染することは特別なことではなく(海外データによると生涯感染率は男性では91.3%,女性では84.6%と高い値です)、ほとんどは自然に排除されますが、感染が持続した場合、HPV関連がん・疾患を引き起こす可能性があります。HPVには様々な型が存在し、その型の種類によって引き起こされる疾患が異なります。たとえば、HPV16.18.31.33.45.52.58型は高リスク型といわれ、発がん性があると考えられています。実際に子宮頸がん患者からはおよそ88%、肛門がん患者からは95.9%と高い確率でこれらのHPVの型(ほとんどがHPV16.18型)が検出されていることがわかっています。またHPV6.11型は低リスク型と言われ、非発がん性と考えられています。おもに尖圭コンジローマの患者から検出されます。この型の何種類に対応するワクチンなのかによって2価、4価、9価というワクチンがあるわけです。2価(サーバリックス)・・子宮頸がんの原因として最も多い型、HPV16、18型の感染を防ぎます。4価(ガーダシル)・・子宮頸がんの原因として最も多いHPV16型、18型に加え、尖圭コンジローマの原因となるHPV6.11型の4種類に対応するワクチンです。そして9価ワクチン(シルガード9)は子宮頸がんから最も多く検出されるHPV16.18.31.33.45.52.58型に加え、尖圭コンジローマの原因となるHPV6.11型を合わせた9種類もの型に対応するワクチンです。どうせ接種するなら予防ができる範囲が広い9価ワクチンの方がいいですよね。と、いうことでこの4月から男子の任意HPVワクチンに対し、千代田区ではシルガード9も選択できるようになりました。実はこのワクチン1回2-3万します。初回接種が15歳未満なら2回で済みますが、15歳以上だと3回接種する必要があります。つまり、自費で払うと5~10万かかってしまうのです。千代田区の男子HPVワクチンの助成期間は小6~高校1年相当の年齢までとなります。気が付いた時には接種時期を超えていて、涙をのんだ方も・・・。小学6年生になったら男子も女子もHPVワクチンと覚えてください。

HPVワクチンに関するよくある質問

Q1.副反応てどうですか?

この質問が一番多いです。2013年に接種後の疼痛などが起こり、HPVワクチンの積極的勧奨差し控えとなった時期がありました。結果因果関係はないと結論付けられましたが、当時の差し控えのイメージが強く、まだ抵抗がある方が多くいます。しかしどんな副反応がおこるの?と聞くと大多数の方が「なんとなく・・」と答えるのも事実です。副反応として接種部位の疼痛が多くみられます。これはほかのワクチンと特に変わりはありません。このブログを読んで少しでも前向きに接種を検討してもらえたら幸いです。

Q2.小6て早すぎませんか?

初交前の年代が最も効果的と考えられています。年齢が上がるにつれ性行動経験率が上昇します。初潮が来ているかどうかは関係ありません。さらに性交渉とは必ずしも同意のもと行われるとは限りません。それらの情報をもとにご家庭で考えていただければと思います。

Q3.何歳まで接種できますか?

女子:小学6年生から高校1年相当までが定期接種対象者です。ただし3回接種となるため、遅くても高校1年生の9月までには初回接種を行わないと公費で接種できなくなります。男子:小学6年生から高校1年相当までは助成があり、無料で接種できます。逆に上限はありません。45歳までの女性に有効であったとデータがありますが、それ以上の年齢の方が接種してはいけないわけではありません。すでに感染したHPVの発症予防はできませんが、今後の感染を防ぐことはできます。なのでもう遅い・・ということはありません。まさに『成人男性も、成人女性も、男子も女子もみんなで接種しよう』

Q4.ワクチン接種したら子宮頸がん検診は必要ないですか?

ワクチンに含まれる9種類以外にも子宮頸がん患者から検出されるHPVの型はありますので100%予防はできません。ワクチン接種後も定期的な子宮頚がん検診を受け早期発見に努めましょう。

結論

男子もHPVに感染し、肛門がんや中咽頭がんなどを引き起こす可能性があります。高価なワクチンですが、ほとんどの自治体で助成制度がありますので、ご確認ください。千代田区にお住いの方は小6~高校1年生相当が対象です。接種漏れがないようご注意ください。

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