こんにちは。番町麹町こどもクリニックです。
私が小さい頃、インフルエンザはひたすら耐える感染症でした。検査もないのでインフルエンザかもと言われ、「なにそれ?」と思いながら布団にくるまりブルブル震えていたものです。それが高校生のころに吸入薬リレンザが登場し、その後永らくインフルエンザの特効薬として席巻するタミフルの登場で、インフルエンザウイルス感染症界隈は大きく変わった気がします。迅速検査キットが出回り、インフルエンザワクチンの助成が始まり、今年は痛くないインフルエンザワクチンまで登場しました。それでも変わらないのはインフルエンザに感染するとつらい、しんどいこと。と言ってもしばらく罹患していないのでどんなものだったか忘れ気味ですが 😯 、患者様はみな辛そうなのがインフルエンザ感染の特徴です。
そんなインフルエンザですが、熱がでて、周りでも流行っているし、インフルエンザが怪しいけど、今病院行っても検査にはまだ早いかも・・。と思った方はなかなかの上級者です。そうなんです、インフルエンザは高熱が出てから12時間以上経過しなければ正確な検査結果は得られません。インフルエンザの迅速検査は、採取した検体のウイルス量が一定量を超えて検出されれば陽性、検出限界以下では陰性という結果がでます。個人差はありますが、確実に陽性と出るのは12時間以降とされています。一方で抗インフルエンザ薬(タミフル、イナビル等)は発熱後48時間以内に投与をすることが推奨されています。「結局病院に行くべき時間て発熱から36時間しかないってこと?そんな都合よく行けないよ!」と言いたくなるお気持ち、よくわかります。
ただインフルエンザの検査ができなくても病院にいく意味はあります。まずその①は解熱剤を出してもらえること。これは親の立場としても大きなメリットです。だいたいこどもたちは夜になると高熱でうなされ、悪夢をみたり、目が回るとか怖いことを言って親をハラハラさせるものです。私自身、熱が出ている我が子を解熱剤なしで夜様子を見るのは怖いです。解熱剤は病気を治す薬ではないと小児科医になりたての頃上司から口酸っぱく言われました。でも実際親になって思うのは、解熱剤を使用し少し元気が出てすやすや眠っている姿をみると、やはり解熱剤様様です。ただし小児における解熱剤として認められているのはアセトアミノフェン(商品名:カロナール、アンヒバ、アルピニーなど)とイソブルフェン(商品名:ブルフェン)だけです。特にインフルエンザによる発熱に関してはアセトアミノフェンのみ推奨されており、アスピリン(商品名:バファリン®など)やメフェナム酸(商品名:ポンタール®など)、ジクロフェナクナトリウム(商品名:ボルタレン®など)などはインフルエンザ脳症との関与が疑われるため使用できません。さらにロキソニンは小児への安全性が確立されていませんので服用できません。たかが解熱剤ではありますが、病院を受診し、体重相応の解熱薬を処方してもらうことをおススメします。
病院に行く意味その②は漢方薬の麻黄湯をインフルエンザの病初期に内服するといいそうです。「いいそう」というのも私自身は内服したことがないので(そもそも20年ほどインフルエンザに罹患していないので)実体験を伝えられず申し訳ないのですが、医学的にも証明されています。欠点はものすごくまずいこと。ただしそのまずさを克服すれば高熱が出てからの12時間をもう少し楽に待つことができるでしょう。そしてようやく検査をして陽性がでれば、インフルエンザの薬と併用もできます。お子さんは無理でも、お子さんからインフルエンザをもらうであろう保護者の方々が麻黄湯を内服することで、自分もつらい中こどもの看病もするという状況を回避できるかもしれません。以上のように高熱から12時間経過しないとインフルエンザの検査はできないかもしれません。それでも病院受診を我慢する必要はありません。一方、せっかく熱が高い中病院へ行っても検査をしてもらえなかったということもありえます。事前に電話などで確認してみるといいと思います。
結論
インフルエンザを疑ったら、病院を受診しましょう。解熱剤や漢方を処方します。
ただし高熱が出てから12時間経ってから行うほうが正確ですので、インフルエンザの検査はできないこともあります。インフルエンザの診断・治療のみご希望の場合は12時間経過してからの受診をお勧めします。



