低身長かも?疑ったら何をする?|番町麹町こどもクリニック|四ツ谷・麹町の小児科・内科・アレルギー科

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低身長かも?疑ったら何をする?

低身長かも?疑ったら何をする?|番町麹町こどもクリニック|四ツ谷・麹町の小児科・内科・アレルギー科

こんにちは。番町麴町こどもクリニックです。

入学、入園、進級・・新年度は何かと大変。そろそろ年初の健康診断も始まるかと思います。そんな時気になる我が子の身長・体重ですが、高くても低くても、重くても軽くても悩みはそれぞれ。もちろん病的な異常がなければその子の個性ですから悩む必要はありません。では病的かどうかはどうやって見分ける?が一番気になるところですよね。その答えはまずお子さんの成長曲線を描いてみることが最も大切です。成長曲線は厚労省や小児内分泌学会などのホームページからダウンロード可能ですので、お子様の今までの身長•体重を書き入れてみてください。成長曲線のカーブに沿って増えていますか?肥満も注視してほしいところですが、それはまたの機会にお話するとして…今回は低身長に注目してお話していきます。

話しはそれますが私がこのブログで大切にしていることは自分の考えを押し付けるのではなく、正しい情報を伝えることです。時には熱くなって気持ちが入りすぎて偏った意見になっているかもしれませんが(笑)、私はみなさんに自分と同じ考えを持ってほしいとは思っていません。私が発信する情報をもとにみなさんが考えて、決断してもらえたならそれが一番の答えだと思っています。

病院で治療ができる低身長かどうかを判断するのは、病院の役割です。ですので、「身長が低くて心配」とか「もうすこし身長が欲しい」と、保護者の方が考えたなら、小児科受診のタイミングです。もちろん保険の適応範囲内です。ただし病院に行く必要がないなら行きたくないというのが保護者の方の本音でもあるかと思いますので、低身長を疑うポイントをおさらいしましょう。まずは前述のとおり成長曲線を描きます。その曲線のうち+2.0SD(一番上の線)から-2.0SD(上から5番目)の線の間にあり、曲線に沿って増えていればまず問題ありません。この中に95%が含まれると言われています。しかし

①-2.0SD以下(5番目より下)の線に沿って増えている場合 (例えば-2.5SDの線、-3.0SDの線に沿って)

②+2.0SD(一番上の線)から-2.0SD(上から5番目)の線の間ではあるが、線のカーブから外れてきた場合。1年間の成長速度が年々低下している(年間の伸びが4㎝以下)

は小児科を受診しましょう。何らかの病気が隠れているかもしれません。

次に「何歳で?」ということもよく聞かれます。早く診断がつけば早めに治療が開始でき、効果も期待できますので、早めに相談したほうがよいと言えます。しかし明確な基準はありません。SGAで生まれた子(お母さんのおなかの中にいた期間の標準体重に比べ小さく生まれた児)はだいたい2~3年で標準的な身長に追いつきますのでSGA性低身長の診断は、3歳児健診時が多いです。その影響か、3歳くらいまで様子を見て、やはり伸びが悪いようでしたら専門外来に紹介することが多いように感じます。逆に小学校高学年になって「なかなか背が伸びる気配がない」「初潮がきたら伸びないんでしょ?そのまえに何とかしてあげたい」と駆け込んでくる方も多くいます。しかし特に女子では初潮がくると治療の効果が期待できないと判断するため、小学校高学年の受診では「遅かった」と思われるかもしれません。そうなるよりは勇み足であっても早めに相談することを勧めます

さらに注意していただきたいのが、成長に関するまことしやかな情報です。低身長に悩む親にとっては、我が子のためにわらをもつかむ思いで検索すると、「〇〇を食べると背が伸びる」、「身長を伸ばしたいなら絶対〇〇やって」などの情報があふれるほどヒットします。その昔肋木(ろくぼく)にぶら下がると身長が伸びて、欧米人のように背が高くなると信じられていたとか・・(※肋木って知ってますか?昔体育館の端の方に、まるで肋骨みたいにそびえたっていた木の棒です。よく上まで登っては飛び降りるという遊びをしていました)そんな真偽不明な情報を一緒に確認していきましょう。

「肋木にぶら下がると背が伸びる」→伸びません(笑)でもぶら下がることで体幹が鍛えられるなど、今でも重宝されている健康器具です。

「筋トレすると背が伸びなくなる」→そんなことはありません。何事も~しすぎはよくありません。バランスよく食べ、適度に運動しましょう。

「牛乳を飲むと背が伸びる」→牛乳だけ飲んでも背は伸びません。でも牛乳にはカルシウム、たんぱく質など重要な栄養素がたくさん含まれています。

「身長を伸ばすのに効果あると宣伝されているサプリメント」→カルシウム、鉄、ビタミンD、亜鉛などが不足していると成長障害を起こす可能性はあります。ただし、不足してるかどうかは血液検査をしなければわかりませんし、過剰な摂取は逆に健康を損なう可能性もあります。カルシウム、鉄、ビタミンD、亜鉛どれも体には必要な栄養素ですので、サプリなど摂取していただく分にはよいことですが、身長を伸ばすことを過度に期待するべきではありません。つまりそのサプリに多額の費用をかける必要はないのです。適切な量を適度なお値段で摂取しましょう。もちろんサプリがなくてもバランスの取れた食事からも摂取できます。

「成長ホルモン(GH)の分泌を促す物質含有サプリメント」→アルギニンが代表的です。実際にGH分泌不全性低身長の診断のため行う分泌負荷試験では、アルギニンを投与して、GHの反応をみます。一方で市販のアルギニン製剤には、分泌試験で使用されるアルギニン投与量の1/50程度しか含まれていないのです。つまりそんな少量のアルギニンではGHの分泌刺激は期待できません。ほかのGH分泌刺激物質も、分泌を刺激するがそれが成長を促すことになるかの証明はできていません。

「成長ホルモンを含むスプレー」→現在のところ注射以外の治療法での有効性は認められていません。それ以外の鼻・口・舌下からの投与ではしっかり体内に吸収されません。

「基準を満たさなくても自費なら成長ホルモン補充療法ができる」→成長ホルモン補充はあくまでも体の中でホルモンが出ていない人に補充する目的で投与します。つまり体の中からホルモンが出ている人に対して、外から同じホルモンを投与する(外因性)ことでどんな影響があるのかはまだはっきりしていません。もしかしたら今出ているホルモン(内因性)の分泌を阻害することも考えられます。

《参考:日本小児内分泌学会 学会からの見解》

身長は体質で決まるのかもしれません。でもスポーツのため、見た目のバランスのため、子供たちの背をもう少し伸ばしてあげたいと思う気持ちは決して親のエゴではありません。しかし情報は正しく取り入れ、ただしいはんだん

結論

低身長かな?と悩んだら、まずは小児科を受診しましょう。悩んでいる間にもこどもの治療可能時期は過ぎていきます。まずは成長曲線を描きましょう。

 

 

 

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