保湿剤はどう選ぶ? ~ヒルドイド VS プロペト~|番町麹町こどもクリニック|四ツ谷・麹町の小児科・内科・アレルギー科

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保湿剤はどう選ぶ? ~ヒルドイド VS プロペト~

保湿剤はどう選ぶ? ~ヒルドイド VS プロペト~|番町麹町こどもクリニック|四ツ谷・麹町の小児科・内科・アレルギー科

こんにちは。番町麴町こどもクリニックです。

日本は素晴らしいことに四季の変化に富んでいます(最近は春、秋の期間が短い気もしますが)。そのため四季の変化によって気温・湿度・紫外線量・花粉飛散量などの皮膚への外的因子が大きく変化し、四季それぞれの肌トラブルがあって、その対応に美意識の高い方はさぞかし大変なことでしょう。あいにく私は美意識低いので、たいてい通年同じものを使い倒します。一応季節の変化に伴う肌の変化は感じますが、許容範囲です。しかしこどもは意外と敏感です。カサカサすること、べたべたすること、ヒリヒリすること、かゆいこと、すべてが苦手で不快に感じます。大人が化粧水と乳液を使うように、こどもたちにとっても、一年を通して肌の保湿はとても大切です。ではその保湿剤をどう選ぶ?保湿力か無添加か、塗りやすさか使用感か、選ぶポイントは人それぞれです。今回はさまざまな視点から保湿剤を見ていきましょう。

その前に声を大にして伝えたいことは『小児のためのアトピー性皮膚炎の予防と治療の手引き』に書かれているように「医療機関で処方できる医薬品の方が医薬部外品や化粧品よりも必ずしも優れているわけではない」ということです。近年化粧品よりも優れた保湿剤として医薬品(EX.ヒルドイド)を化粧品代わりに使用している方が増えていますが、その影響で本来医薬品を必要とするアトピー性皮膚炎などの患者さんに処方できる量がかなり制限されてしまいました。医薬品も限りのあるものです。必要な人のもとに十分量届きますようご協力をお願いいたします。

さて主に保湿剤と言われるものには、エモリエントとモイスチャライザーに大きく分類されることは広く知られているかと思います。エモリエントの代表がワセリン、いわゆるプロペトです。そしてモイスチャラージャーの代表がヘパリン類似物質、いわゆるヒルドイド。さらに尿素配合クリーム、いわゆるケラチナミンコーワ20%クリームなどもモイスチャラージャーの仲間です。

①保湿力 ワセリンは皮膚の保護的役割なのに対し、ヘパリン類似物質や尿素クリームは親水性があり皮膚へ浸透し、より高い保湿力があります。ワセリンは皮膚にラップを巻いたようなイメージで、皮膚への吸入はほぼありませんが、皮膚表面の蒸発を防ぎ、外部の刺激からも皮膚を守っていると昔上司に教わりました。私は今でも患者さんにそのように説明しています。結論:保湿力 ワセリン < ヘパリン類似物質、尿素配合クリーム と言えます。

②添加物 ワセリンと一口で言っても実は様々な種類があります。ワセリン自体は石油から得た成分を、不純物を取り除き精製したものです。(つまり油成分のみ、水性成分はほぼなしとイメージだから皮膚に吸収されにくい)そのなかで白色ワセリンと言われるものは酸化を防止するため、抗酸化剤であるジブチルヒドロキシトルエン(BHT)が添加されていますが、みなさんが良く使っているプロペトはさらにその酸化防止剤も除去されています。つまりプロペトは添加物フリーなのですさらに医師の処方箋では出せない「サンホワイト」はさらに不純物が除去されており、プロペトの上を行く精製ワセリンです。サンホワイトにはサンホワイトP-1とシルキーY-1の2種類がありますが、シルキーY-1はP-1の成分をそのままで、ワセリン特有のべたつきやすさをなくし、伸びがよくなるよう改良されています。一方でヘパリン類似物質は、水性成分と油性成分の混合物です。(だから皮膚に浸透しやすい)しかしこの二つは本来混ざり合うはずのないもの。それを混合するためには界面活性剤と言われる水分と油分をつなぐ働きの物質が不可欠です。さらに細菌が繁殖しないように防腐剤であるフェノキシエタノールやパラオキシ安息香酸プロピルも添加されています。これらが有害かどうかといわれたら、体に害はありません。しかしヘパリン類似物質は添加物フリーではありません尿素配合クリームはケラチナミンコーワクリームには尿素に防腐効果があるため防腐剤は配合されていませんが、角質をとかす作用があり、アトピー性皮膚炎のかたやひび割れのある場合にはお勧めしません。さらに20%尿素配合クリームは小児(15歳未満)には使用できないうえ、10%は保護者指導の下、使用可となっていますので、総じて尿素配合クリームは保湿剤として小児にはおススメではありません。結論:添加物フリー ワセリン>ヘパリン類似物質

③使用感 こちらは個人の好みで分かれます。べたべたするけど塗ってる感があるのはワセリン、さらに手洗いでもなかなか落ちないのがメリット◎。(余談ですが先日こどもからプロペトを髪の毛にべったりつけられるという被害をうけました。シャンプーしてもなかなか取れず、次の日もワックスで髪をキメキメに固めた人みたいでした😢)一方で伸びが良く塗りやすいのはヘパリン類似物質、剤型も多岐にわたり、頭皮にはローション、手にはクリームタイプなど使い分けできるのはGood👍でも使用感の好みは人それぞれ。結論:使用感は好み次第 ワセリン=ヘパリン類似物質

④番外編;容器 容器も様々ありますが、人気があるのは壺タイプ。よく「壺で」といわれます。確かに壺は便利です。塗りやすいのがベスト💮でも壺の中に指をそのまま入れていませんか?いくらヘパリン類似物質の中に防腐剤が入っているといっても、指にはご存じ常在菌がいっぱいです。清潔さを選ぶならチューブタイプの方がおススメ壺タイプなら専用のへらを使ったり、早めに使い切るなど上手に使ってください。プロペトも同様です。プロペトは油分が多いので菌には強いですが、酸化には強くありません。そのため保存するときは遮光が必要です。加えてプロペトも早めに使い切りましょう。

一口に保湿剤と言っても視点を変えればよくも見えるし、今まで異なる見え方もあります。でも大切なのは「保湿することで肌は守られる」こと。だから本人や塗布する人がいかに気持ちよく保湿剤を使い続けることができるかが重要なのです。みなさんはどの視点から保湿剤を選びますか?みなさんが選んだ答え、それが正解なのです。

結論 ワセリンやヘパリン類似物質について正しく理解し、自分たちにあった保湿剤を使用して、肌トラブルを回避しよう。

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