頭のかたちのゆがみは治療したほうがいいの?|番町麹町こどもクリニック|四ツ谷・麹町の小児科・内科・アレルギー科

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頭のかたちのゆがみは治療したほうがいいの?

頭のかたちのゆがみは治療したほうがいいの?|番町麹町こどもクリニック|四ツ谷・麹町の小児科・内科・アレルギー科

こんにちは。番町麹町こどもクリニックです。

絶壁、斜頭などの言葉があるように昔から頭の形はある程度注目されていました。私の父は孫をみて「いい形のあたまだね」と満足そうによく言っています。今よりも坊主が多かった時代、昔の方がもしかしたら頭の形の良し悪しでモテ度がちがったのかもしれません。けれど今や高校野球も坊主でなくてもいい時代なので、そこまで頭のかたちにこだわる意味があるのでしょうか?皆さん疑問に思われるかと思います。みなさんからよく受ける質問を文献をもとにお話していきます。

①頭のかたちの変形は脳への影響はあるの?

なし 影響があるという報告はなし。実は2014年、厚労省から『乳児期の外圧による頭蓋変形は、成長発達遅滞や機能障害の原因とはならないと考えられてきたが、変形性斜頭等を伴う症例では神経発達及び運動発達に遅れを伴うとの報告が複数ある』と報告があり、流れは「頭蓋変形は脳への影響あり」という考えに傾いた時期もありました。しかし10年たった今でも確実な報告はありません。つまり現時点では「影響はなし」。基礎疾患により変形している場合を除いて、向き癖や頭位による変形の場合は発達の遅れ、知能の遅れを心配する必要はありません。

②頭のかたちの変形を放置したらどうなるの?

顔面の左右差により、眼の左右差、咀嚼の問題、側弯、斜視、片頭痛、歯並び、および視力・聴力への影響が指摘されています。さらに耳の位置が左右でずれることによりメガネがかけづらい、イヤホンが付けづらいなどの日常生活の支障が出てくる可能性はあります。

③頭のかたちの変形は自然と治る?

斜頭(上から見ると頭の形が平行四辺形になっている)の場合、変形の重症度が高いほど、頭の形は改善しません。(改善率30%程度)ただし早産児の長頭症(頭の前後径が長い:早産児は長頭症になりやすい)は時間の経過とともに改善していくという報告があります。さらに「自然に」という意味でいうと何もしないで治るわけではありません。変形している方に圧がかからないよう生活面で意識することが必要です。

④頭のかたちの変形を防ぐにはどうすればいいの?

生後1ヶ月から3ヶ月健診までの間が頭蓋変形の一番起きやすい期間です。この期間にこまめに頭の向きを他動的に動かすことで変形を予防・改善することが可能となります。乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防のため1992年に仰向け寝を推奨する勧告が出されました。このおかげでSIDSは減少しましたが、一方で仰向け寝による頭蓋変形の増加したことも分かっています。赤ちゃんの頭は生まれたときからすでにまん丸ではありません。これはお腹の中にいるときの影響もあれば分娩時狭い産道を通ってでてくることにも影響します。そうすると仰向けに寝かせているつもりでも、傾きの関係で寝やすい向きに落ち着き、結果どちらか一方を向いているのです。お子さんの生まれた頃の写真を見かえしてみて下さい。おそらくいつも真上ではなく、同じ方向を向いて寝ていると思います。しかも赤ちゃん用のベッドはたいていマットレスが硬め。大人のようなふわふわ弾力のあるマットレスでは窒息の可能性があるという理由からでしょう。この時期ほとんど寝ていますから硬いベッドの上で同じ姿勢のままでいることで、さらに頭の形が変形していきます。それを防ぐため他動的に頭の向きを変えてあげる必要があるのです。

具体的には                                                                                        

【0ヶ月~1ヶ月】

●保護者が上体を起こし、胸の上でうつ伏せにする。首がすわっていないので、頭とお尻をしっかりおさえます。保護者の方もソファーなどに深く座り楽な姿勢で。                                                                   ●保護者が両膝をたて、その間に乗せて真ん中を向く練習をする。頭をしっかり抑えて向き癖とは反対方向から話しかけてみましょう。                

【2ヶ月】

●保護者が寝て胸の上でうつ伏せにする。                                                                            ●うつ伏せにさせ、向いている側で保護者も側臥位になり、目線を合わせる。                                                            ●あかちゃんが仰臥位の時も向き癖とは反対方向に保護者がいる、反対側からおもちゃを鳴らすなど心がける。

【3ヶ月】

●首が座るようになったら、保護者もうつ伏せになり、目線を同じ高さにあわせる。脇から前胸部にかけてバスタオルをはさんでもよいでしょう。

【全体を通して】

●外出時はだっこよりだっこひもを使いましょう。だっこは保護者の利き手の影響で一方の方向に偏りがちです。だっこひもは股関節のためにもしっかり両方の股関節が開くタイプがオススメです。

参考:一般社団法人日本頭蓋健診治療研究会 小児の頭蓋健診・治療ハンドブック第2版

いつ受診すればいいですか?

上記のように生後1ヶ月から3ヶ月健診までの間が頭蓋変形の一番起きやすい期間です。この期間に正しい予防法や改善策を指導することで、頭蓋変形が重症化する前に防げる可能性がありますので早めの受診を勧めます。

ドーナツ枕は効果ありますか

効果よりリスクを考えると推奨はしません。どのような形態かにもよりますが、基本的に調整するのは保護者になります。枕と頭の関係によっては、頸部が前屈し窒息の恐れがあります。保護者の前胸部でのうつ伏せ寝の方が効果も高く安心かと思います。

ヘルメット治療について教えて下さい

ヘルメット治療の原理は外から圧力をかけて頭の形を矯正するのではなく、一方の成長を待機させ、一方の頭蓋骨の成長を促すことであたまの形を調整します。ヘルメット治療の目的は、頭蓋変形による諸々の影響もありますが、一番は整容面だと考えます。

結論

頭蓋変形は脳への影響はありませんが、歯並びや視力、聴力などに影響を及ぼす可能性があります。頭蓋変形は生後1ヶ月から3ヶ月健診までの間が一番起きやすいので、この期間にこまめに頭の向きを他動的に動かし保護者の監視の下うつ伏せ遊びの時間(タミータイム)をつくりましょう

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