こんにちは。番町麹町こどもクリニックです。
一度は耳にしたことがあるかと思います「舌下療法」。でも実際に始めるかと言われたら、身構える方も多くいらっしゃいます。「そこまでじゃない」や「薬を飲めば治るので」と考える方が多いようで、舌下療法=花粉症の重症者の治療という概念があるのかもしれません。その考えは間違ってはいません。それでも私は積極的に舌下療法を勧めます。舌下投与を始めて、確実に症状が軽減しているのを目の当たりにしてるからです。みなさんの舌下療法に対する負のイメージが変わるように、当院での舌下療法の現状について実際の患者さんの意見を交えてお話したいと思います。
※シダキュア(スギ花粉アレルギーに対する舌下薬) ミティキュア(ダニ抗原アレルギーに対する舌下薬)
①始める人の年齢は?
小学校低学年からが多いです。兄弟、親子で始めるケースが散見されます。毎日舌下する必要があるので、同じ治療をするパートナーがいると続けやすいですね。
②味は?
スターターとして舌下するミティキュアは包装が黄色、なのでレモン味のタブレットと思いきやみなさん感想は「無味」またはむしろ「変な味」。後味はミティキュアの方が悪い。シダキュアのスターターは緑、でもシダキュアの方が溶けやすく舌下しやすいとか。
③副反応は?
シダキュア舌下後はイガイガするなどの副反応は少ないようです。一方でミティキュア舌下後イガイガする方は意外とそれなりにいます(30%ほど)。でも薬を飲んだり、舌下直後に水を飲んでも当院ではOKとしています(本来は舌下後5分は飲水を控える)。たいていはその方法で副反応をクリアできます。
④効果は?
シダキュアの舌下を始めてから初めてのスギ花粉飛散シーズンですでに効果を感じている方がほとんどです。薬を使わなくてもよくなったと言う声をよくいただきます。しかしヒノキや黄砂には反応するので、4月中旬になると少し調子が悪くなるようです。一方ミティキュアは通年性のものなので効果を目にみえて感じられるものではないのですが、舌下を始めてから調子がよいかまたは特に症状がないかと言う方がほとんどです。つまり鼻水が出てつらいという声は聞かないので効果があるのでは?と考えています。
⑤服用負荷は?
めんどくさいという声もききます(笑)でも症状がよくなっていることを考えると「まあ仕方ないか」と言ったところでしょうか。面倒で途中リタイヤする人はほとんどいません。しかし効果を実感できなければ「やってられるか!」と思うでしょう。その場合は無理に舌下療法を続ける必要はないと考えます。さらに少しのイガイガも「無理しなくていい」と伝えています。前述のようにイガイガするときは5分待たずに水を飲んでもいいよ、どうしてものときは飲み込まずにはきだしてもいいよ、そうすれば続けられそうであればその方法を提示しています。舌下療法は3年間ほど毎日続けるものです。保護者にとってもこどもにとっても服用するだけでも負荷は間違いなくあります。さらに舌下したあとの「イガイガを我慢する」という負担が加われば、続けることが苦痛になってしまうでしょう。イガイガするときは「効果」よりも「無理なく続けること」を大切にしています。結果として「無理なく続けること」を大切にすることで「効果」が得られないということも起こっていません。
⑥通院負荷は?
舌下療法初回時は[説明→処方→薬局で薬をもらう→舌下→院内で20分ほど経過をみる→問題なければ終了]まで長くて1時間見てもらっています。その後1週間後受診し、舌下量を増量。次は2週間後に受診し問題なければ以後1ヶ月ごとに受診して状況を確認しています。落ち着いていればオンライン診療可としていますので、毎月通院する必要はありません(宅薬便を利用すればお薬も自宅まで届きます)続けること自体大変なことですので、なるべく負荷が軽くなるようサポートいたします。
「抗アレルギー薬ならスギ花粉のシーズンだけ服用すればよいのに、毎日服用しなくてはいけない舌下療法はあまり意味なくないですか?」という質問をよく受けます。その通りです。服用負荷の観点でいえば抗アレルギー薬の方が楽なのは確かですし、そのように考えることも間違いだと思いません。ただ抗アレルギー薬はいくら服用してもアレルギー性鼻炎を治すことはありません。症状を抑えるだけです。一方で舌下療法は飲み続けることでアレルギー性鼻炎そのものを根本から治すことが期待できます。この点が大きくちがうと患者さんにはいつも説明しています。でもその上で選択するのは患者さんとご家族ですので、各ご家庭にとってのメリット・デメリットに寄り添い一緒に解決策を考えていきたいと思っています。どちらにしても鼻詰まり、目のかゆみに慣れてはいけません。これらの症状は「仕方ない」と考えて過ごしていると意外となれてしまうのですが、睡眠障害や学習障害につながることが分かっています。どんな方法でも鼻詰まりや目のかゆみに日常生活を支配されない未来へ導くため、今しっかり治療しましょう。
結論
舌下療法はアレルギー性鼻炎そのものを根本から治すことが期待できる点で抗アレルギー薬とは大きく異なります。しかしその一方で毎日服用する負担もありますが、なるべく無理なく負担が軽くなるようサポートしていきます。




