こんにちは。番町麹町こどもクリニックです。みなさん睡眠しっかりとっていますか?言うまでもなく、睡眠はとても大切です。十分な睡眠なくして健康な身体はあり得ません。我が子から「〇〇くん「寝ているやつはあほだ」って夜遅くまでゲームをしたり、音楽聴いたりしているみたいだよ。」と聞いたときは思わず「なにいってんの?寝た方がいいにきまっているじゃない。だいたいね・・・」と友達の話をしただけで、関係ない我が子相手にはげしく説教を始めてしまいました。眠くなるのは脳が疲れて休みたいと言っているのです。だから当たり前ですが、眠くなったら寝ましょう。「だって眠くないんだもん」と小中高生の声が聞こえてきそうですが、眠くならないのはそれまでの環境の影響で、無理に頭を活性化させているに過ぎません。やりたいことがあるなら朝早起きしてみましょう。そして音楽を聴くなり、ゲームをするなりしたら目が覚めて丁度いいと思います。しかし大人はそうは行きません。眠くてもやらなければいけないし、1日24時間の内削るとしたら睡眠時間しかない場合もあります。ようやく眠れると思ったら、おこさんの夜泣きが始まって・・こっちも泣きたくなってしまいますよね。親も子も睡眠が大事だからこそこどもの夜泣き問題は簡単には片付けられないのです。では夜泣きはどう対応すればいいのでしょう?
夜泣きは大前提として睡眠発達が未発達のために起こる一過性の現象と言われています。つまり夜泣きは病気ではありません。新生児期は昼夜の区別なく寝ますが、生後1ヶ月を過ぎると睡眠を誘発するメラトニンが夜間帯に多く分泌されるようになり、生後3ヶ月ごろになると分泌が安定し、夜間まとまって眠るようになるそうです。レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)が交互に繰り返されていることは聞いたことがあるかと思います。こどもも同じようにこのサイクルで眠りますが、まだ未熟であるため切り替わるときに、容易に覚醒してしまうのです。そして覚醒したとき、暗いし、寝ぼけているし、ママパパの姿も見えないとなればそれは泣いて当然です。これが夜泣きの正体です。だから夜泣きは当然と言えば当然の現象といえます。そして夜泣きは必ず終わります。とはいえ「夜泣きは病気ではないので、夜泣きが終わるまでの間は親も睡眠不足になるのは仕方ないです」というわけにはいきませんよね。ではこの生理的現象に対し以下の提案を試してみましょう。
①物理的・環境刺激を減らす
部屋を暗くする、静かにする、室温を快適に(冬は18-20度、夏は25-27度)、寝返りしてもぶつからない 布団で寝かす などの調節で容易に覚醒するのを防ぎます
②生活リズムを見直す
1歳、2歳児では昼寝時間を含まず11~14時間の睡眠が推奨されます。朝こどもの起こす時間を決めていますか?起きるまで起こさないではなく、決まった時間にカーテンを開けて起こしましょう。さらに朝型の規則正しい生活リズムのためには夜も早く寝かせる必要があります。そのために寝る前の習慣をつけましょう。いわばねんねルーティン。ねんね前の読み聞かせ、ねんね前の保湿剤、ねんね前のハグなど毎晩の入眠手順を習慣化させるとスムーズに入眠にはいり夜間覚醒も減少する傾向にあるそうです。また15時以降の昼寝は控えましょう。
③親の介入を見直そう
私は夜間起きるたびに寝ぼけながら授乳をして、添い乳しながら私も子どもも寝ていたのであまり苦ではありませんでした(笑)という方はそのままでもOK。でも泣く度にミルクを作ったり、抱っこしてゆらゆらしたりは確かに親も疲弊してしまうと思います。夜泣きは生理的現象なので必ずしもお腹がすいているとは限りません。もしかしたらトントンやおなかをさする、声がけ、見守るなど親に負担のかからない方法でも自然と入眠するかもしれません。すでにミルクや抱っこが常態化していると、自然と再入眠するようになるまで少し時間と労力がかかりますが、チャレンジはしてみるといいかもしれません。ここで注意していただきたいのはネントレと称し、SNSなどで広く紹介されていますが、中には危険とみられる行動もあります。分からないときは専門家に相談してみてください。
④日中身体を動かそう
我が子も2歳頃夜泣きがひどくて、夜中に起きて「靴を履く」といって大泣きするので布団の上で靴を履かせてみたり、「水飲みたい」と言うので水をもってきても「いらない」と大騒ぎしたり、途方に暮れた時期もありました。しかし幼稚園に入園したらなんとぐっすり!!幼稚園はその前とは身体を動かす量がちがったようで、疲れて夜は夕飯時からうとうとしていることも。やはり運動量が多ければ寝るんだと実感したものです。体力はそれぞれ異なります。同じように身体を動かしていてもあの子は夜泣きしないのに、うちの子はなぜ?と感じるときは、まだまだ体力が有り余っている可能性もあります。可能であればもうすこし身体を動かしてみると改善するかもしれません。
⑤他に原因はないか?
夜泣きは生理的現象、しかしいつもより目が覚めてしまう理由があることもあります。たとえば咳がでる、鼻が詰まる、耳が痛い、身体がかゆい、便秘でお腹が痛いなどの原因で起きてしまっているのかもしれません。いつもの夜泣きとは泣き方がちがう、苦しそう、頻回、昼間も機嫌が悪いなどの症状がみられるときは小児科を受診するようにしてください。
⑥OTC薬は飲ませていないか?
薬局などで買える市販の風邪薬(OTC薬)に夜間覚醒を助長させる成分を含んでる可能性があります。カフェイン含有薬として総合感冒薬(カイゲン感冒液小児用、小児用ジキニンシロップなど)交感神経刺激含有薬として鼻炎の薬(パブロン鼻炎カプセル小児用、宇津こどもかぜシロップAなど)などが原因の可能性もあります。見直してみましょう。
⑦漢方を使ってみる
抑肝散、甘麦大そう湯などは夜泣きや興奮をおさえる作用が期待できます。漢方は飲みにくさがありますが、長きにわたって内服が必要な場合は重宝されます。興味がある場合はご相談ください。
いずれも試しにできそうだなというものにチャレンジしてみてください。さまざまな事情でチャレンジできないこともあるでしょうし、やってみたけど改善しないということもあるかもしれません。そのときはまた一緒に考えましょう。
結論
夜泣きは病気ではないけれど、親が眠れないのは大問題。親と子の睡眠のために、夜泣きのしくみを知り、チャレンジできることはやってみよう。
参考文献:小児科診療2025年10号 夜泣きにどう対応するか 清水悦子先生著/チャイルドヘルス 2026年2月号 夜泣きがひどい・・・・・・どうしよう? 藤井明子先生著




